第36回高専プロコンの講評
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第 36 回高専プロコンの講評
2025/10/12
審査委員長 京都橘大学 大場みち子
審査委員長の京都橘大学の大場みち子です。 審査委員長として講評を述べます。
出場されたすべての高専生の皆さん、長期間にわたる準備と本選での熱意ある発表、本当に お疲れさまでした。
今回は全国から過去最高となる 160 校が参加し、技術と創造力を競い合う場となりました。 大会に関与いただいたみなさま、特に、主管校の松江高等専門学校の和田校長をはじめとす る教職員のみなさまのご尽力により、素晴らしい大会を開催できました。心より感謝申し上 げます。
まず、各部門に対する講評を述べます。
課題部門のテーマは「ICT を活用した環境問題の解決」です。 二年目のテーマということもあり、各チームが多様な視点から環境課題を捉え、社会実装を 意識した作品が多く見られました。 技術力・プレゼンテーション力ともに高く、完成度の高い発表ばかりでした。一方で、テー マとの関係や解決アプローチを明確に示すことが課題として残りました。 また、自由部門も同様ですが、マニュアル審査を軽視しているチームが散見されました。マ ニュアルも審査対象です。開発とのバランスを取りながら、マニュアル整備を進めてくださ い。
自由部門は、「自由なテーマで独創的な作品」ということで、広い分野で独創的な作品が多 数登場しました。AI を自然に使いこなす“AI ネイティブ世代”の姿が印象的でした。 AI を試す段階から、道具として自在に活用する段階へ進化しています。 一方で、AI の出力に対して自ら評価・説明する姿勢が今後求められます。 センサーを自作するなど技術的完成度の高いチームも多く、自由な発想と実践力に感心し ました。しかしながら、テーマの焦点がぼやける作品や、プレゼンとデモが重複する発表も ありました。限られた時間で「何を伝えたいか」を絞り込む工夫をしてください。
競技部門のテーマ「エ。縁結びの誘導について」では、ほとんどのチームが完答でき、プロ グラミング力に益々磨きがかかってきています。 上位チームは問題の本質を正確に捉え、最適化や効率化を的確に実装していました。 一方で、地道に実装した結果、手数(てかず)が多くなり、敗退したチームもありました。 限られた時間の中で「最適なアルゴリズムで、確実に作る力」が大切であることを改めて感 じました。
続いて、全体に対する講評です。
今年度の大会では、AI の定着とプレゼンテーション能力の向上が顕著でした。 AI を道具として使いこなし、自らの発想で課題を再構成する力は、まさに次世代の技術者 の姿です。 また、実証実験やユーザ視点を重視する作品が増え、「作って終わり」ではなく「使われる ものを作る」姿勢が根づいてきました。
最後に、高専プロコンは、技術を競う場であると同時に、未来を自分たちの手でデザインす る場です。 好奇心を原動力に、新しい挑戦を続けてください。 この大会が、皆さんにとって次の成長への出発点となることを願っています。 以上で、審査委員長の講評とさせていただきます。