神沼審査委員長講評

まず今年も例年通りプロコンが開催できることをうれしく思います。

 今回の審査の関係で気づいたことをお話しさせていただきます。
昨年と比べて課題部門よりも自由部門の応募数が多くなりました。課題のテーマが難しかったこともあるのでしょうか、2年目ということもあり、比較検討した結果、途中で自由部門の方に変更したのかなとみられる作品もありました。

 今回の審査にあたって、何をどう実現しようとしているかが明確に述べられているかどうかについて重点的にみさせてもらいました。最近の風潮なのでしょうか、作品がどのように使われているかという How to については多く書かれているのですが、なぜ開発しようと思ったのかという説明についてもしっかり書いていただきたいと思います。これはいわゆる起業的な視点につながる大切な要素であると思います。実現方法についても、概念設計から詳細設計の説明が足りないなど、まだまだ不十分な点があります。
 また、KINECTに代表される新しい技術を活用した提案が多くみられたことも特徴的でした。新しい技術に注目し活用しようという姿勢は好ましいことですが、それを用いて如何に独創的な作品につなげていくかという点でもう一工夫してほしかったです。

 予選資料は、作品の開発目的、開発方法、対象者、利用方法などを、相手に明確に伝えることが必要です。ほとんどの作品でよくなってきたなと感じますが、ユーザインタフェース、データ設計、リスク対応など多くのことを検討しなければなりません。12ページが説明に使えますので、すべてについて十分説明するようにしてください。

 本選に向けて、さらに分析をきちんとしてください。これからの開発においても作品の出来に大きく影響すると思います。みなさんの活躍を期待しています。

2011年7月30日予選審査会にて