第31回大会 課題部門テーマについて

テーマ  「楽しく学び合える!」

 近年,急速に普及してきているIoT・AIなどの技術により,今後,社会の様々な変化が予想されます。このような社会で生きていくために,次世代を担う児童生徒には,急激な社会的変化の中においても未来の創り手となるために必要な資質・能力を備えることが期待されます。これを学校教育で実現するために,2020年度から,小学校におけるプログラミング教育が必修化され,その後段階的に,中学校や高校の教育課程においても情報技術に関する項目が見直されます。しかしながら,プログラミングなどのICT教育に興味・関心を持った児童生徒のニーズに十分に応えるには,現状では環境や人材など様々な課題・問題が山積みしていると言えます。

 文部科学省が定める新学習指導要領では,教育課程全体や各教科などの学びを通じて「何ができるようになるのか」という観点から,「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力,人間性など」の3つの柱からなる「資質・能力」を,総合的にバランスよく育んでいくことを目指すとされています。さらに,「主体的・対話的で深い学び」を実現する方向性が示され,何を学ぶかだけでなく,どのように学ぶか,そして何ができるようになるかが問われています。このように学び方の変化に対応しながら教育の情報化を進めていくために,一般社団法人ICT CONNECT 21(*1)では,教材や教育環境を含むさまざまな教育関連サービスの提供者,教育者,研究者など多様な立場のものが集まるオープンな場を提供し,学習環境や教材などを発信しています。

 総務省では,「地域ICTクラブ普及推進事業」(*2)を実施しています。地域で自立的・継続的・発展的に児童生徒及び地域住民(社会人,障害児者,高齢者を含む。)がプログラミング等のICT/IoTを楽しく学び合い,新しい時代の絆を創るための仕組み(地域 ICT クラブ)の構築を目指しています。これによって,学校での授業だけでなく,生涯学習といったような形で放課後などの課外での学習活動の場を提供できます。

 第31回プログラミングコンテスト・課題部門では,このような“学び”にスポットを当て,ICT技術を活用して楽しく学び合える場を提供してくれる作品の登場を期待しています。どのような“学び”をどのように“楽しく”,さらに参加者みんなで“学び合える”ためにどのような仕掛けを用意するか,高専生の柔軟な発想を期待します。

*1  https://ictconnect21.jp/

*2  http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/IoT_learning.html

以上