第33回大会 課題部門テーマについて

テーマ 「オンラインで生み出す新しい楽しみ」

 少し前までは,「オンライン」と聞くと「オンラインコンピュータゲーム」を連想していましたが,はた して今はどうでしょうか.

 新型感染症の流行によって,この1,2年で私たちの生活が大きく変わりました.仕事や生活だけでなく 娯楽やイベントもこれまでの実施形態を見直して,遠隔○○,テレ○○,リモート○○やオンライン○○な どに変化し,私たちの日常に入ってきています.人が集まる学校や職場などは,遠隔授業やリモートワーク などが実施され,人同士の接触を減らしました.日常の生活においても人同士が繋がりを保ちながら接触を 避けるために,オンライン帰省などが登場しました.人との接触を減らすことをねらったオンライン化だけ でなく,オンラインだからこそのメリットを活かす工夫もあります.

 例えば,疫病退散を願う祭りや花火大会なども,開催が難しく中止に追い込まれている中,自宅にいなが ら祭りを楽しもうとオンラインで祭りに参加したり,観覧することができるようになっています.各地の有 名なお祭りが,オンライン祭りやオンライン花火大会として開催されています(*1,*2,*3).これまで参加 できなかったイベントへ,オンラインだからこそ気軽に参加できるようになり,人々の楽しみが増えました. スポーツ系でも,専用アプリをスマートフォンにインストールして,ライブで実況を聴きながら,違う場所 にいる人々がリアルタイムでランニングなどを通じてつながることが出来るライブラン(*4)など,新しい 取り組みがなされています.

 一方,コンサートなど参加者を一箇所に集めて実施するイベントは,オンラインライブ配信のような形で 実施されています.さらに,いわゆる“投げ銭”のような機能を使うことで,配信者やクリエイターが収益 を上げる仕組みもできています.これにより,イベントへの参加者だけでなく,配信者やクリエイターも楽 しみが増えました.

 第 33 回全国高専プログラミングコンテスト・課題部門では,これまでにない“新しい楽しみ”にスポッ トを当て,ICT を活用してその“楽しみ”を“オンライン”で提供してくれる作品の登場を期待しています. 新たな楽しい“生活”,楽しい“価値”や楽しい“イベント”など“新しい楽しみ”をどのように捉え,“オ ンライン”だからこそできる仕掛けを組み込み,“新しい楽しみ”を生み出すためのシステムをどのように 構築するか,高専生の柔軟な発想を期待します.

*1 「前橋七夕まつり」,https://maebashi-tanabata.jp/
*2 「さっぽろオンライン夏まつり」,https://sapporo-online-fes.com/
*3 「りんくうスマイルプロジェクト」,https://rinkusmile-p.com/
*4 「ライブラン」,https://www.liverunapp.com/